歌川豊国による浮世絵「「沢村宗十郎遺文」」

Utagawa Toyokuni I, 歌川豊国 (豊国〈1〉)による浮世絵「「沢村宗十郎遺文」」

作者:歌川豊国

作品名:「沢村宗十郎遺文」

制作年:1812

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情報源:演劇博物館デジタル
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説明:

画中文字「.病<やまう>の.床<とこ>に.打臥<うちふし>て いまわきはの.一通<ひととを>り .御<ご>ひゐき.様<さま>へかき.残<のこ>し おねがひ申は.弟<おとゝ>田之助並ニ.源平両人<げんへいりやうにん>.とも.定而<さだめて>.我<わが>が身なきあとは たよりすくなき.若輩<しやくはい>もの どふぞ.行<ゆく>すゑ.御見<おみ>すてのふ御.取立<とりたて>下されかし .猶<なほ>また.沢村金平<さわむらきんへい>.其外<そのほか>門弟中にいたるまて 御ひゐきのほとひとへニ/\おねかひ申上まする おひ.先<さき>しれぬ田之助源平こゝろのこりは是ばかり .当夏<とうなつ>よりの.昼夜<ちうや>のかいほう .兄<あに>なればこそかほどまで 子なればこそこのやうにと ふたりが.目<め>かほをしのびてはなかぬ.日<ひ>とてはござりませぬ .日<ひ>にましおもる.此身<このみ>の病 この.丹情<たんせひ>がむだことゝ むねにはしれど.余所<よそ>めには げんきをつけて折/\は すゝまぬ.食<しよく>もむりにたべ おもきまくらもあげなどして .気<き>をおとさせじとおもへども まさるやつれにふたりがなみだ なげくものよりなけかるゝ我かなしさは.御<ご>すひりやう下されまし 只今までは御ひゐき様の御かげにて 弐十九才のけふまても おとりたてにあつかりし御.高恩<こうおん>とてもこの世の見おさめに せめては一度本ふくし 御礼なから出勤し ふたりが事をはしめ門弟中の事までも 御ひゐきさまにくれ/\もおねがひもふせしよならばこゝろのこりはなきものを それもかひなき.此身<このみ>のはて くさばのかけから御ひゐき様へ お礼は山/\申上ます もふす事さへあとやさき よろしく御よみわけ下されかし 辞世 .消<きえ>て.行<ゆく>.身<み>にも.袂<たもと>の.氷哉<こほりかな> 訥子」。

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